腰痛の原因
人間は「二足歩行」をする動物です。体の構造上、二本足で立って歩けばどうしても脊椎骨(背骨)に負担がかかりますので、人間にとって、腰痛は逃れられない病気である、と言えます。
人間の脊椎骨は24個の椎骨の組み合わせで出来ていて、その周囲を、筋肉、靭帯、椎間板、関節などで支えています。
横から見ると、脊椎骨はゆるやかなS字状をしていますが、弓なりになった腰の部分に最も体の重みがかかるうえに、上半身を動かす基点となる部分でもあるため、腰はとても傷みやすい部分となっています。
腰痛は、脊椎骨を支える筋肉、靭帯、椎間板、関節などのほか、神経や骨などに何らかの異常をきたすことで起こります。腰痛には、「重い物を持つこと、激しい運動・労働、悪い姿勢、背骨のゆがみ、肥満、加齢」などのように、背骨に負担をかけることが原因となって起こる腰痛と、内臓の病気や、精神的なストレスが原因で起こる腰痛があります。
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脊椎骨に原因があって起こる腰痛は、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症 、変形性脊椎症などがあり、一般的に「ぎっくり腰」と言われている腰痛症は、重い物を持ち上げるなど、腰部の筋肉や関節等に急激な負荷を与えることが原因で起こります。
また、長時間、同じ姿勢で座り続けることも腰に大きな負担をかけるため、パソコン操作を行う若い世代に腰痛が広がっています。
腰痛を伴なう内臓疾患には、婦人科系の疾患、腎臓疾患、悪性腫瘍などが挙げられ、自律神経失調症や心身症など、心因性の疾患のケースもあります。いずれの場合も自己診断は避けて、すみやかに医師の診察を受けることが大切です。
腰痛予防
今では、日本人の約8割もの人が腰痛の経験があり、日本の国民病ともいえるほど患者数が増えています。
ふだんの生活の中で、「悪い姿勢」や「長時間、同じ姿勢」でいることは、腰に大きな負担をかけるので、腰痛が起こりやすくなります。腰痛予防は、まず、「姿勢を良くすること」から始めましょう。
立っている時は、背中と膝をピンと伸ばし、アゴを引いて、肩が前に入り込まないように気をつけます(真横に開くようにします)。横から見たときに、耳・肩・股関節が一直線上にあることが理想的な立ち方です。
座る時は、イスに深めに腰掛けて、イスの背もたれ部分に背中から腰にかけてピッタリ付くようにすると、腰にかかる負担を軽くすることができます。
腰には、立ってる時には自分の体重の約1.5倍、中腰の姿勢では約2倍もの負荷がかかりますので、中腰の姿勢の時は特に注意が必要です。
中腰の姿勢で荷物を持ち上げる場合、荷物をできるだけ体に引き付けて持つようにすると、いくらか負担を減らすことができます。
長時間、仕事等で同じ姿勢でいなければならない人は、できる限り休憩をとり、その間に体操やストレッチを行うようにしてください。その際、腰痛ストレッチや腰痛体操を取り入れると、効果的な腰痛予防になります。
また、腰を支える筋肉を鍛えることも、有効な腰痛予防になります。部分的な筋肉を鍛えるよりも簡単で、しかも効果的な運動は「ウォーキング」、つまり「歩くこと」です。適度な運動で体重を減らすことは、腰への負担を軽減することにもつながりますから、毎日、少しずつでも取り入れてみましょう。
腰痛の治療
腰痛の治療は、「急性の痛みは冷やす・慢性的な痛みは温める」ことが基本になります。ぎっくり腰などで、突然、激しい痛みにおそわれたら、まずは安静にして、冷湿布などで患部を冷やすようにしてください。痛みがやわらいできたら腰を温めるようにして、腰に負担をかけない程度に体を動かし、筋肉がかたくなるのを防ぎます。
腰痛の治療を行う際は、腰痛の原因を把握する必要がありますから、専門病院を受診するようにしてください。
腰痛の治療には、主に次のような方法があります。
・温熱療法…患部を温めることで血行を良くし、筋肉をほぐします。温湿布、ホットパック、低出力レーザーなどがあり、入浴も温熱療法の一つです。激しい痛みがあるときや、妊婦さん、高血圧や糖尿病の人には向きません。
・マッサージ療法…慢性的な痛み、回復に向かう腰痛には効果的ですが、急性の痛みのときは避けた方が良いでしょう。腰痛の原因によっても不向きな場合がありますので、医師と相談のうえで治療を受けてください。
・けん引療法…腰椎を引き伸ばすことで椎間板にかかる負担を抑え、痛みをやわらげます。慢性的な腰痛に効果があります。
・装具療法…コルセット=腹筋や背筋の役割をサポートすることで、腰にかかる負担を軽減し、痛みをやわらげます。いつまでも装着していると、腰を支える筋肉を弱めるおそれがありますので、痛みが強い間だけ装着するようにしてください。腰痛ベルト=弾力性のある素材を使って骨盤のズレやゆがみを矯正し、腰部を安定させることで腰痛を軽減します。
・手術療法…排尿困難や歩行困難、下肢の痺れなどを伴なう腰痛や、ガマンできないほど激しい痛みがあるときなどは、手術を行うようになります。
